蝉に犯された。

蝉は一週間の命だから必死だった。

蝉にとっては誰でもよかったんだろう。

ただ、そこにいた女がたまたま私だっただけ。



蝉のSEXは乱暴だった。

蝉はまさに一生懸命といった感じだった。

蝉は今にも泣きそうだった。

ただ、泣きそうなのは私だとしか思わなかった。



蝉は事が終わるとすぐ死んだ。

蝉は無表情で上を向いていた。

蝉に哀れみは感じなかった。

ただ、神様は不公平だとは思った。



私は乱れた服を正し、バックを拾い家路に急いだ。

私は帰ってすぐシャワーを浴びた。

私は気丈であったと思う。

ただ、体中に出来たアザを除いて。



私の彼は優しかった。

私の変化に気付いても、何も言わなかった。

私はそんな彼に上手く甘えられなかった。

ただ、彼も私を上手く抱いてはくれなかった。



私はしばらくして蝉の子供を身籠った。

私は堕ろす事にした。

私は彼に謝りたかった。

ただ、もう蝉の顔は思い出せなかった。





蝉は自然の摂理に従っただけ。

私がたまたま、そこにいただけ。

彼は本当の事を知りたくなかっただけ。

ただ、暑かっただけ。





ただ、今年も夏は来る。

ただ、蝉はまた鳴く。

ただ、ただ、ただ、暑い日がまた。

そして今年の夏、彼は私を上手く抱いてくれるだろうか?



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